現在の私

中国を出国してから、仕事はすごくいそがしいですが、すごくさっぱりした気分です。
個人として思い出し、また会いたいなっていう中国人の学生や友達はもちろんいますが、
日本人というだけで敵意を向けられる生活(全員じゃないにしても)は、やはり慣れてもどこかでストレスになっていたのでしょう。

ベトナムだと、むしろ「日本人です」というとサービスがよくなります。
(ぼったくられる可能性もそれなりにアップしますが)
中国は、8年前に滞在していた時よりさらに嫌われてますね。
びっくりしました。

そんなこんなで今では、数字の「一」すら数秒考えないと中国語ででてきません。
QQなどではまだ中国語でチャットしてるんですけどね…。

『李家荘の変遷』趙樹理

『李家荘の変遷』趙樹理(小野忍訳、岩波文庫、1958年。原著は1945年)を読みました。
アモイ大学の現代文学史の教科書を読んでいる時に興味が湧いて、日本で買いました。
その時の帰国時にこっちに持ってきたのですが、「積読」になってました。
この本、中国においていくので、今のうちに読んでおこうと。

中国で読む中国の小説はこれで最後だと思います。
中国の内陸部の小都市に7年。いろんな中国社会の矛盾を見たあとで読む中国小説、いろんな思いがこみあげてきます。


この小説は、李家荘という架空の村の1920年代末からの20年間を描いたものです。
設定をそのまま読めば、春秋戦国時代を舞台にした小説といってもわからない、そんな感想を持ちました。
むちゃくちゃな社会です。また春秋戦国時代のほうがましかも。
しかし、この作家さんも共産党にまだ騙されていた時の話しなので、共産党が日本軍をぺしゃんこにしたとか書いてありますし、党の指導者などはやたら物分かりがよく清廉な感じです。

ウィキペディアには
・娘が労働者や農民になりたがらないのを見て「幹部の子弟がいまだに封建時代の誤った階級観念で労働者や農民を下に見ているのは問題だ」と嘆いたりもした。
・後期の「霊泉洞」は、共産党員の指導性に距離を置き、農民・人民大衆の自立への願いを込めたものだった。このように、「本来の共産主義とはいかにあるべきか」というテーマを追求した、実直で真面目な人格は、中国近現代史にあって稀有の存在だった。

なんて書いてあります。きっと中国の農村を本当に良くしたいという気持ちが強い人だったんでしょうね。
文革時に反動派だと迫害され死去。


あと30日で中国を出ます。

放送大学の期末試験を休みの少ないベトナムで受けられるか?

ベトナムは祝日がほとんどありません。
まとまった休みはテト(旧正月)の休み4日間ぐらいです。
たぶん、学校は1週間ほどは休みをくれると思いますので、この期間で放送大学の期末試験(単位認定試験)を受けないといけません。


そうなると、旧正月と試験日程の重なり具合が重要になってきます。

旧正月:

2014年1月31日
2015年2月19日
2016年2月8日
2017年1月28日
2018年2月16日
2019年2月5日
2020年1月25日
2021年2月12日
2022年2月1日

試験は1月下旬ですので、14年、17年、20年、22年あたりが受験のチャンスですね…。
社会と産業コースは残り5単位なので、3科目履修して合格すれば卒業ですから、来年卒業できそうですが、あとのコースはかなり長期戦になりそうです・・・。放大のすべてのコースを卒業するという目標も断念しないといけないですね。

卒論放棄

ベトナム行きを決めてしばらくは中国語をやろうという気持ちもあったのですが、
冬休みに見学にベトナムの学校に行ってからは、毎日、あと何日で中国を脱出できるのかと指折り数える日々で、卒論どころか、中国語の辞書すらひかなくなりました。
7年いた「中国疲れ」が一気に出た感じです。


ということで、事務と指導教官には連絡してないですが、卒論は放棄します。
卒論の指導料が無駄になりますが、書いても口頭試問で厦門に行かないと行けません。指導料と同じぐらいのお金がかかりますので、やはりサンクコストということで…。

ベトナム語を今はやってます。
中国語自体は、ベトナム語の勉強で越中辞典をつかうつもりですので、間接的に継続しますし、たぶん海賊版のDVDなどでもお世話になるでしょう(苦笑)。正規版など売ってないのですみません。まあ、中国映画も映画館でよくやってるようですし。


中国は広いので注目されがちですが、
東南アジアという地域で考えれば実は日本人は多かったりするんですよね。


在留邦人(外務省のサイトより。多くは在留届に基づく数のようです)

タイ:49,983人(2011年10月)
シンガポール:26,032名(2011年10月現在)
フィリピン:17,702人
インドネシア:12,469人(2011年10月1日現在:在留届に基づく)
マレーシア:10,401人(2011年10月現在)
ベトナム:9,313人(2011年10月現在)
カンボジア:1,201人(2011年10月現在)
ラオス:546人(2010年10月現在)
ミャンマー:543人(2011年10月現在)
モルディブ:192人(2011年, 外務省)
ブルネイ:129名(2012年10月現在)
東ティモール:115名(2012年3月現在)

合計で約13万人です。中国の在留邦人131,534名(2010年)と大体同じなんです。


私の現在いる中国内陸部の某省の人口は4000万ぐらいですが、
日本人は多分数百人も居ないのではないかと思います。
(この街は3人)
日本人にあうチャンスも増えるのがうれしいです。

ベトナム語の教科書を中国アマゾンで購入

日本でベトナム語の本を買うと3000円以上するので、
中国語の復習も兼ねて中国アマゾンで教科書を買いました。


・大学外国語学部1〜2年生の教科書:基礎教程第1冊〜第3冊CD付き。
語彙も4000語ぐらいあるので、とりあえず十分ですね。


失敗だったのはこのシリーズの高級教程1〜2。
CDもついてないし、まえがき以外は全部ベトナム語…。
中国語の語彙表もないなら、ベトナムで適当な本を買って読むのと変わりません。


語音会話教程というのも1冊買いました。
CD付きですし、ベトナム語最難関の発音をしっかり練習する教材です。
全34課で10課が発音の練習。残りが日常会話の練習です。
これだけでも当座は凌げそうです。
赴任前には終わらせたいな…。ちょっと忙しいけど。


追記:
基礎教程1は発音練習などがないので、語音会話教程を終えないと基礎教程の内容はついていけないようになっているみたいです。
語音会話教程〜基礎教程3までで語彙は5,000語程度。
もし完璧にできたら、困ることはなさそう。

日本国情の教科書

前に、ある中国の大学「日本概況」の教科書が日本語のウィキペディアのコピペでできあがっていることを書いた記憶がありますが、
現在使っている日本国情の教科書もかなりひどいです。


そもそも、日本概況と日本国情で授業内容がなにがちがうのかわかりませんし、教科書の章立ても大体同じでどう授業していいのかよくわかりません・・・
中国の大学の授業では原則中国の印刷物でないと使えませんので、
中国人教師が日本語で書いた本をつかうわけです。
(だから、結局中国人の視点しか勉強しないで日本語学科を卒業することになります。日本側の主張なども一応紹介されて入るのですが、なんかちがうんですよね)。

今回使っている教科書、かなりひどいです。
ウィキペディアの図が出典を明記しないで使われていたりするのは、まあマシなほうなんでしょうけど、
昨日発見したのは、「日本人の自然観と宗教」という節のコピペ

私は今、「葬式はしない、遺骨は自然に帰す」という運動をしている

書いた人は中国人なのに、なぜ日本で運動しているんでしょうか。ありえません。しかも突然「私」がでてきてびっくりします。

われわれが感じる無常感は…

「われわれ」って日本人という文脈で使われていますが、著者は中国人です。明らかに日本人の書いた文章をコピペしてます。
この部分をコピペした人、かなり日本語が下手らしく、コピペした文章が、「日本人の自然観と宗教」をまったく説明してません…。
こういう先生たちが、卒論の指導をしたり、日本についての論文を発表しているんです・・・。

卒論形式1

もらったインドネシア学生の卒論集の後ろには付録で、「アモイ大学本科卒業論文規範」というのがついています。


流れ:

1指導教官確定
2指導教官とテーマについて相談
3文献を読む、資料集め
4アウトラインの作成
5初稿提出、指導教官との討論、添削
6定稿提出、指導教官のチェック

事務の先生は、独創的な論文は学部学生には無理だから、研究レポート的なものでもいいといっていましたが、この「規範」には「一定的独到見解」が必要と書いてあります。

論文形式・フォーマット:

1題目
2学生(氏名、学院、系、専攻、年級)
3指導教官(氏名、職称)
4中国語要旨(400字以内) キーワード(3〜5つ)
5目次
6引言(まえがき)
7本文:8000字以上。A4*1
8結論
9謝辞
10英語タイトル、要旨、キーワード
11参考文献リスト
12付録


文字・フォント
タイトル:黒体3号
要旨*2:「摘要」という文字は四号黒体。要旨の内容は、小四号宋体。
キーワード*3:「関鍵詞」という文字は四号黒体。
  内容は、小四号宋体。キーワードとキーワードのあいだは2文字空白


英文要旨のタイトル:小四号Arial。
英文要旨の内容とキーワード:五号Arial


目次:「目録」という文字は四号黒体。二行開けて章、節、小節とページを書く。小四号宋体。ページの数字は行末、章や節と数字のあいだは虚線で結ぶ
引言:小四号宋体
標題:章題は小黒体三号、「章」の下2行は空白で「節」、四号宋体。「節」の下1行開けて「小節」、四号黒体。行を変えて本文をはじめる
本文:小四号宋体
結論:「結論」という字は四号宋体。内容は小四号宋体。
謝辞:「致謝語」という言葉は四号黒体。内容は小四号宋体。

タイトル、中国語要旨、キーワードは1ページに全部書く。
英語の要旨とキーワードは別の1ページに。


参考文献リスト:

専書の場合
作者.書名[M].出版地:出版社,出版年.


期刊(雑誌)
作者.題名[J].刊名.出版年,巻(期):ページ


論文集
作者.論文集名[C].出版地:出版社,出版年.ページ


学位論文
作者.題名[D].保存地点:保存単位,年.


電子文献
責任者.電子文献題名[電子文献及載体類型標識].アドレス.年−月−日.文献作者が3名以内の時は全部書く。3名以上の時は「等」をつける


全文の誤字は1万分の2を越えてはいけないそうです

*1:上の余白2.5cm、下2.0cm、左右2.0cm。学校指定の頁眉(ヘッダー)を入れる。ページ数を入れる

*2:タイトル下は1行空白

*3:要旨下は1行空白