中検1級は雲の上だけど過去問やってみて思ったこと

中検1級は、中国語の語学検定資格で最難関(日本の資格試験全体で見ても最難関の部類じゃないでしょうか)です。


協会の説明では

高いレベルで中国語を駆使しうる能力の保証
高度な読解力・表現力を有し,複雑な中国語及び日本語(例えば挨拶・講演・会議・会談など)の翻訳・通訳ができること。

Wikipediaには

中検では、1級は職業通訳家でも10年は更に学習が必要な難度である。

とあり、一般学習者はビビりまくるレベルです。


準1級の過去問を買うと、1級もついてきます。
それで1級の筆記選択問題もやってみました。
結果は↓

72回の1級の筆記
大問1 10点/20点
大問2 8点/20点
大問3 10点/16点
合計 28点/56点(50%)

思ったより難しくない!
いや、合格なんか絶対できないレベルなんですけどね。
(得点の基準点が準1級の75点を10点も上回る85点ですから、ちょっと間違えただけで落ちます。)
ネイティブでも合格しないとかビビらせるようなことをいう人がいますが、
それは翻訳があるからでしょう*1
選択問題のレベルはネイティブレベルではないと思います。
実施回数がすくないので過去問も少なく、準1級の選択問題の練習に使えるなっておもいました。
『キクタン慣用句編』に出ているものも出題されていました。


最近、書いたものの真意がどうやら伝わってないことが多いので
くどく書いておきますが、中検1級の合格難易度が低いなんてことを言いたいのではありません。
ただ、実際に、中国語で本を読んでいたりすると日本からもってきた電子辞書に載ってないような単語もものすごく多く出てます。



ちなみに、中国の某大学の教授(うちの省では通訳としても有名なんだとか。それほどうまいとはおもいませんが)が「1級は日本人でも集中してないと聞き落とすような問題がある」とかいってましたが、笑止。それは本当にボーっとしてたんでしょう。あと、文法や語彙の問題も普通は3だけど、4の言い方もある特殊な場合はありえるとかネイティブは却って迷うこともありますが、普通に選べば一つも落としそうな問題はありません。
例えば、実際の問題ではありませんが、
「私は猫(  )好き」という文の括弧に助詞をいれるなら、普通は「が」ですが、前後の文脈によっては「は」でも大丈夫です。

自分が受けてる試験を難しいものだと思いたいという心理がどの国の学習者にも働くのでしょうね。
というか普通に考えてある程度の教育レベルのネイティブが落とすような問題あるような試験、こんなのがあっていいのでしょうか(笑)

*1:実際にうちの学生にも日本概況の授業で日本の中国語学習者数と日本の中国語試験」っていうような内容で授業をして問題見せたことがあるんですが、翻訳の部分をみせなかったので、へえ〜ぐらいの感じでした。面接の問題見せたらうわ〜これはすごいって感じになりましたが