いろいろな卒業/学歴と学位

日本では通常、“大学卒業=学士”*1ですが、中国ではかなりはっきりと分かれています。
大学を卒業するというのは、すべての科目に合格することを意味しているだけで、
学位があるかどうかはわかりません*2
大学によって違うようですが、たとえば、平均点が70点以上でないと単位がそろっていても、学士なしで卒業、という具合です。(まあ、大抵の学生は卒業時に学士号を取得するのでしょうが・・・。)


卒業にもいろいろ種類があります。


○卒業:単位はすべて取得。
○結業:科目はすべて履修。ただし、いくつか主要な科目に不合格。
○肄業:設置課程を終えていない。

などのものがあるようです。日本の場合、普通は留年になるんでしょうが、中国では留年というものがない学校も多いようです。4年経てば単位ちゃんと取れていなくても追い出される、という感じです。


アモイ大学通信課程も、本科卒業と、学士号取得は別です。
○すべての単位を取得して、卒業試験に合格すれば、卒業。
○卒業試験合格+卒論合格+口頭試問合格→学士号取得



ついでに。
文科省「大学教育部会(第9回) 議事録」
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/015/gijiroku/1318724.htm

【佐々木部会長】 例えばある大学が「卒業は認めるが,学位の認定はしない」,つまり,「学位を授与されない卒業生」が出てもいいのですか。第2条の読みようではあり得るのですか。

【小松私学部長】 今,学位規則でご説明いたしましたが,その説明の大もとは学校教育法第104条になっています。概念的には卒業という一定の与えられた課程なり課題をきちんと終わったという,概念としては幼小中高と学位に関係なところにも学業の修了という概念はありますが,学位ということについては大学だけですので,その関係を法律的に定めた104条では,例えば第1項を見ていただきますと,かくかくしかじかを修了した者に学位を授与するものとするとなっております。この「ものとする」というのは,日本の法令用語では一応統一された用法がありまして,「しなければならない」と同じ意味ですが,自治性とか自主性とかいうものが尊重されるという度合いの強いような場合に,そのことを配慮して若干和らいだ表現で言う場合に,この「するものとする」ということにしておりますので,そういう意味では概念的には分かれるが,それは卒業する者には必ず学位を渡さなければならない。逆に言うと,大学の責任によって学位を渡すというほどのものでない者を卒業させてはいけない。修了させてはいけないということになります。それが守られているかどうかということが大学に対する強い批判ということだと思います。

【佐々木部会長】 そうすると,ここでも議論があった問題ですが,現行法令上では,大学卒業生を対象としてあらためて「学位認定試験」を行うなどという話はあり得ないのですか。

【小松私学部長】 あり得ないと思います。

*1:日本でも学位授与機構など、大学を卒業しなくても学位を授与する機関がありますが、これは例外。

*2:英語版ウィキペディア“Bachelor's degree”の中国のところにはNormally, about 90% of graduates are able to obtain a degree, however, no degree is awarded with excellency or honor. と書いてありました