中検、語学の面接、会話の試験

来年11月から中検準1級に面接が導入されます。
面接が導入されることはいいことですが、過剰な期待はしないほうがいいです。
別に面接に合格したからといって会話力が保証されるわけではありません。
よほどできない人が落とされる程度だと思います(私の勝手な予想)。


というのは、会話の試験って実はものすごく大変なんです(まじめに実施するなら)。
日本語であればOPIテスターという資格があります(本来は英語の資格)。
http://www.opi.jp/nyumon/nagare.html
約20万円のお金を払ってワークショップに参加します(4日間)。
その後、何回もテープを提出しなければいけません。
これは異なるレベルの学習者と会話をして録音して送らないといけません。
自分とトレーナーとの判断のすり合わせをするわけです。
自分はこの学習者を中級と判断したけど、トレーナーは上級と判断した・・・とか。
こういうのを何回も何本もやってようやく資格をえても、4年で更新しないといけません。自分の中の基準が他の人とずれてくるからです。
(超級レベルの学習者を見つけて面接するのが難しいとも言われます。自分が教えたことがある人はだめですし、そもそも超級レベルだと専攻の学生どころか教師でもなかなかいない。)


ちなみに、会話は
・導入部(リラックスさせる段階)
・レベルチェック(学習者が自信をもってこなせるレベルを探る)
・突き上げ(学習者の限界を探る)
・終結部(突き上げをすると、できないという挫折を学習者が感じるので、そのまま終わると大変。出来るレベルまで落として「話せた」と感じてもらう)


こんなかんじで最長30分だそうです。
(私はもってませんが、知り合いから聞いたり本を数冊読んだ記憶で書いてます。一部正確じゃないかもしれません。)


日本語能力検定に面接がないのは、最大年77万人、60か国以上200近い都市で行われる試験に一定の水準をもったテスターを送り込むことが現在の受験料ではできないからだと思います。
果たして中検協会はちゃんとできるのでしょうか。お手並み拝見。
(まあ、日本国内だけのローカルな試験ですけど。)
たぶん、ものすごくできない人を落とす程度の試験になると私は思ってます。
もしその程度なら、HSKみたいに独り言をテープに吹き込んで本部で一括採点すればいいと思うんですけどね…。


あと、もししっかりがっつり面接をするなら、日本国内在住の中国人中国語教師が面接官は私はあまりよくないと思います。
私もそうですが、その国で教えているとその国の学習者の癖にかなり慣れていて、
中国人の発音がおかしかったり、誤用があったりしても、言いたいことがわかってしまうことがあるんです。
聞き取れる発音の幅が広がってしまっていて、日本から赴任したばかりの日本人教師と耳が違ってしまっているかもと感じることも時々あります…(T_T)