罪刑法定主義

放送大学の教材が届いたので、読み始めています。
『現代の犯罪と刑罰』(大越義久、2009年)に中国のことも書いてありました。
「罪刑法定主義」ってどこの国にもあるのが当たり前なんだとおもってましたが、
旧ソ連や中国は違ってたんですね。

1979年中華人民共和国刑法79条「本法の各則に明文の規定がない犯罪は、本法各則の最も類似した条文に照らしあわせて犯罪を確定し、刑を言い渡すことができる。ただし、最高人民法院に報告して許可を得なければならない。」

(教科書8−9頁)

検索しましたが、79条は別の法律になってます。改正されたのでしょうか。
3条には罪刑法定主義について触れられています。

第三条 【罪刑法定】法律明文规定为犯罪行为的,依照法律定罪处刑;法律没有明文规定为犯罪行为的,不得定罪处刑。

(法律に明文規定がある犯罪行為を彭に照らして処罰し、法律に明文規定がない犯罪行為は、処罰しないって書いてあります)


ウィキペディア(日本語版)みたら、中国の刑法について書いてありました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E8%8F%AF%E4%BA%BA%E6%B0%91%E5%85%B1%E5%92%8C%E5%9B%BD%E5%88%91%E6%B3%95

中華人民共和国(以下、単に「中国」という)における刑法の一般法であり、1979年7月1日制定の旧刑法典を全面改正し、全国人民代表大会において1997年3月14日に成立、同年10月1日に施行された。

ってありました。やっぱり改正されてたんですね。
罪刑法定主義についても触れられていました。

旧刑法典には、「本法各則に明文の規定がない犯罪は、本法各則の最も類似する条文に照らして罪を確定し、刑を言い渡すことができる」(旧刑法79条)という、類推適用を容認する規定が存在した。しかし、改正によってこの条文は削除され、第3条では「法律によって明文で犯罪行為と規定されているものは、法律に従って罪を確定し、刑罰を科す。法律によって明文で犯罪行為と規定されていないものは、罪を確定し、刑罰を科すことはできない」として、罪刑法定主義が明文で規定されている。

中国語版ウィキペディアの罪刑法定主義のところには以下のようなことが書いてあります。

罪刑法定原则之确立为法制史之转折点。

在中国唐代以前,判官常以习惯法或成文法之类推、比附入人于罪。贞观年间,唐太宗秉其对人民之愍恤心,不忍其受判官擅断之苦,故贞观后《唐律》即明定“无正条不为罪”(无成文法条不得使人入罪),以遏止判官专权。

http://zh.wikipedia.org/zh-cn/%E7%BD%AA%E5%88%91%E6%B3%95%E5%AE%9A%E5%8E%9F%E5%89%87
「罪刑法定原則の確立は法制史の転換点」とあり、その例として唐代の貞観年間の罪刑法定主義をあげていますが、中華人民共和国の旧刑法は無視してます(ウィキペディア中国版には中華人民共和国刑法の項目がまだないようです)。台湾人が編集したのでしょうかね。


百度百科の罪刑法定原則の項目には、唐のはなしは出てきません。そして、旧刑法についても触れられています。