『中国歴史研究入門』読了

中国歴史研究入門

中国歴史研究入門

斜め読み終了。


時代ごとに出版時(2006年初版)までの研究動向・主要論文などをあげてくれている本です。
研究の仕方が書いてあり、卒論などを中国史で書くなら必要な本でしょうね。
アモイ大学の卒業試験の復習には、あまり役立たないように思えますが、
外国人のために中国史専攻じゃない中国人教師(たぶん)が教える、中国の中国史(しかもやや古い)をやるには、必要な本かも。
「隋唐という名称こそが、自らの存在を固定し正統化しようとする隋唐の政権担当者たちが、同時代と後代の歴史家を抱き込もうとした文化的仕掛け」、「隋唐史と呼ぶことの政治性を自覚することが必要」(101頁)なんて言葉・視点は、どきどきしますよね。


中国の研究動向にも触れられているのは、中国にこれ以上失望しないためにも必要です。
アモイ大学や学部レベルの概説書では、いろいろと削られているだけで、まじめな学者さんはいるんだと安心できます。
(アモイ大学の教科書は古いので、最近の研究がまったく反映されていませんし、マルクス史観・愛国史観全開です)


読みたい論文がいろいろあげられていますが、
中国に戻れば読めないものがおおいのが残念。
(中国の文献でも新刊で手に入らないものは、うちの大学では手に入らない・・・。ということで、日本の実家において帰ります)