中国で有名≠世界で有名

学生に有名な人を簡単に紹介するという課題をだしました。
「斉白石は、20世紀十大画家のひとりです」
しらないよ〜誰だよ〜。
十大画家なんていうぐらいなら、ピカソとか美術に興味がないひとでも知ってるレベルじゃないと・・・。
宋祖英
劉暁慶
陳景潤
袁隆平
みなさん、どの程度しってますか?
世界的に有名だとうちの学生はおもってます。
まあ、一部の専門家は知っているんでしょうけど、
それを世界的に有名だとはいわないでしょうね・・・。
まあ、日本人も小澤征爾を世界的な指揮者だとか言いますが、
世界十大指揮者とかそんなことはいわないかなと思います。
黒澤監督あたりは、十大監督あたりに入ってもおかしくはないでしょうが。
そんな称号は、ひとによってちがうもので、固定的なものじゃないように感じます。


世界で「ハイブリッド米の父」と呼ばれるようになった

(「人民網日本語版」2008年10月28日)
http://j.people.com.cn/94476/94674/6522952.html
でも「ハイブリッド米の父」でヒットするのはもっぱら中国人が書いたサイトばかりなんですよね…。
(FAO(国連食糧農業機関)はハイブリッド米自体が1974年に中国で開発されたと紹介しているそうです)


すくなくとも減反政策の日本では、「米がいっぱい取れるよ」ていう研究は有名になれない要素十分です。

そして、中国ではこういうふうに「民族の英雄化」がなされるとなかなか批判しにくいということもあります。ハイブリッド米の作付けが多すぎることに批判もあるようです。


「大学生が選ぶ中国の文化イメージ トップ10」という記事が
「中国網日本語版(チャイナネット)」(2011年1月4日)にあります。
http://www.peoplechina.com.cn/xinwen/txt/2011-01/04/content_322706.htm

270あるキーワードのうち、最も中国を代表するイメージとして選ばれたトップ10は、中国語(漢字)、孔子、書法(書道)、万里の長城、五星紅旗(中国国旗)、漢方医学、毛沢東、故宮、訒小平、兵馬俑

このあたりは妥当ですよね。

現代文化の代表格よりも伝統的なものが中国のシンボルとして選ばれている事が分かる。例えば、現代を象徴する人々、劉暁慶(女優)、韓寒(作家・ブロガー)、崔建(歌手)、李沢厚(思想家)、宋祖英(歌手)、周杰倫(歌手)、訒麗君(歌手)などはトップ200にも入らなかった。科学者と最先端科学技術を代表するものとして、袁隆平(ハイブリット米の父)、陳景潤(数学者)、Lenovo(聯想:レノボ、パソコンメーカー)、Baidu(百度:バイドゥ、検索エンジン)などを選んだ人は半分くらいだった。

実際は近代・現代の中国に自信がないんだろうなと思います。
十大なんとかといって自慢するのも、しないのも実は根っこは同じなんでしょう。


ちなみに陳景潤は厦門大学の卒業生です。
(追記 2011/06/06)
周杰倫(ジェイ・チョウ)、訒麗君(テレサ・テン)は、中国人の意見では中国人なのでしょうが、本人に聞くとなんと答えるでしょうかね?