中国考古学

放送大学の教科書が届きました。

『考古学―その方法と現状―』(泉拓良、上原真人編著、放送大学教育振興会、2009年)の15章「考古学の多様性」にアメリカ・イギリス・中国などの考古学が紹介されてました。中国については295ページ〜297ページの2頁、担当は京都大学の岡村秀典教授です。

「1949年に中華人民共和国が誕生すると、社会主義国家の建設をめざし、考古学にたいする政治的な要請が強まっていった。」→マルクス・エンゲルスの社会の発展段階論を説明するために考古資料が利用→しかし、改革開放後は「中国は世界と対面するようになり、考古学の風向きが大きく変わった。それまで国内向けの歴史教育に利用されていた考古学の成果が、こんどは国威発揚の手段として外国に向けて発信されるようになったのである。古代メソポタミアやエジプトの文明に匹敵する、偉大な中国文明を顕彰し、世界にアピールすることが、考古学に求められたわけである」


中国の理論的傾向は、新しい考古学理論をうけいれつつも、20世紀前半の欧米でさかんにおこなわれた文化史考古学とよく似ているそうです。
文字資料多いですしね。

文化史考古学:考古学文化の時間的・空間的な動きを明らかにし、文献を参照しながら、その文化の担い手となった民族(集団)の動態を研究する考古学。