臨剣の頌

乾坤無地卓孤筇
喜得人空法亦空
珍重太元三尺剣
電光影裏斬春風



乾坤孤筇を卓(た)つるに地なし
喜び得たり人空法もまた空なることを
珍重す大元三尺の剣
電光影裏に春風を斬る



天地にはもう一本の杖を立てる場所もない
とはいえ、人は空であり法もまた空だ
さあ見届けよう、大元三尺の剣が
稲妻の光るまに春風を斬るのを
(現代語訳は『東アジアのなかの日本文化』村井章介、放送大学教育振興会、2005年より)