教師と学生(当代教育学5章)

この教科書では「教師は一種の専門職」となんの疑問もなく書かれていますが、
たとえば、『教育方法学』(佐藤学、岩波書店、1996年、136ページ)には、


専門職とは
1)公共性と社会的責任で特徴付けられる職業であること
2)高度な専門的知識や技術によって遂行される職業であること
3)その知識や技術の教育を大学院段階の養成システムで保障していること
4)専門家としての自律性を制度的に保障していること
5)専門家協会を組織していること(自律性を行政から養護するもの、知見や見識や倫理を高めあるもの)
6)専門家としての社会的責任を自己管理する倫理綱領を持っていること


それで佐藤先生は、教師は1は十分に満たしているが、2〜6は不十分であり専門職としての条件を十分満たしてはいないとしている。私もこの意見に同意です。
特に語学教師というのは「その国の言葉ができれば誰でもできる」的先入観がまだまだ一般には根強いです…。



教科書には「学術交流などの面での自由と自主権」なんていう言葉も見えますが、う〜ん、そんなの本当にはないですよね・・・この国では。


あと、体罰はだめとかはそうだとおもうんですが、「民主的教師学生関係を厳格に求める。これは一種の友達式友好関係である」なんていう言葉も見られますが、うちの学生なんかは逆に馴れ馴れしくて困ります。個人的内容のお願いも多いです。「来週うちにかえるので中間試験を他の日にしてください」「公務員試験をうけるので、成績をよくしてください」とか・・・。


それから、西洋の学者には教育活動を一種の経済活動・知識をうる仕事のように考えている人がいるが、これは間違いである、なんてことも書いてありますが、必ずしも間違いとはいえないんじゃないでしょうか。なれ合い関係で伸びないよりプロの教師として教えるべきことはビジネスライクに教えてくれるっていうのもなかなかいいとおもいますけどね・・・。

学生を食事に招待したりいろいろしてる中国人教師がいますが、そんな時間があったら、まず日本語能力をみがいてほしいものです・・・。「あの先生はとてもいい先生だから、授業も日本語も下手だけど一応出席して自習してます」なんて学生から聞きます。なんか間違ってるように思います。